あーる工房社内報冒頭文 2011/12

皆さん、お元気ですか。私は先月末から風邪気味で、なかなかすっきり治りません。師走に入ったのですから、キリッとしないといけないですね。

 先月の末、わたくしどもあーる工房の前会社役員である、わたくしの父が他界致しました。その際は各店の皆様から、たくさんのメールでお悔やみの 言葉をいただきました。また、お別れの会の当日は何人ものオーナー様、社員スタッフにご参列いただきました。この場を借りて皆さんにお礼の言葉を述べさせ てください。本当にありがとうございました。

 父はあーる工房がスタートしたごく初期から、私の事業の手助けをしてくれました。当時私は父の卸会社から洋服を仕入れてブティックを営んでいま したが、ひょんな事でリフォーム事業に出会いました。そして、そちらの方により生きがいを感じ、リフォームとリペアの会社に転向しました。その直後、バブ ル崩壊の不況が日本の社会を覆ったのでした。

 父の洋服卸業は次第に縮小し、父が還暦を過ぎた頃から、私のリフォーム業に手を貸してくれることが多くなりました。そして、有限会社あーる工房が創業した時から、会社役員として参加してくれたのです。

 それ以来、会社役員としてずっと手助けをしてくれましたが、それ以上に、多くの方から「パパさん」という愛称で呼ばれ、愛されて来ました。父が亡くなって、多くの人が父のお別れ会に駆けつけてくれました。

 お別れ会では、父らしく、祭壇を赤いバラで飾りました。スライドショーのあと、参列していただいた全ての方から、祭壇のバラを一本一本抜き取 り、ひつぎの中に献花して頂きました。そして、オーナー様はじめ、あーる工房本部の皆さん、その他多くの方から温かいお言葉と涙を頂戴しました。「パパさ ん、さようなら」と多くの方がなごりを惜しみ、おでこを撫でてくれました。父は本当に大勢の人に愛されていたんだなあと、改めて感謝の気持ちで一杯になり ました。

 東京在住の息子も、ロスの娘も、幸運にも父が意識のあるうちに集結することが出来ました。ロスの娘はビザの関係で本来12月中旬まで出国するこ とが出来なかったのですが、診断書を取り寄せ、弁護士に頼んで特別に出国許可をもらって駆けつけたのです。その二日後、父は家族全員に看取られて静かに最 後を迎えることが出来ました。とても運が良かったと思いますし、さぞかし嬉しかっただろうと思います。皆様のおかげで、父らしいお別れ会にしていただき、 本当にありがとうございました。

 私がリフォーム業を手がけてから、ずいぶんの年月が過ぎました。そして、気がつくと、あーる工房はまもなく20周年を迎えます。ごく初期に、父 と母、ちづさん、そしてちえちゃんと始めたリフォームとリペアの小さなお店が、八千代さんを迎え、伊藤くんを迎え、そしていつの間にか100人を超え、フ ランチャイズの皆さんを含めると本当に大きな仲間になりました。

 思えば、けっして平坦な道ではありませんでした。なにせバブル崩壊と同時に生まれたような会社です。その後の日本が大変だったように、あーる工房もまた荒波の連続でした。けれど、その中で何とか生き抜いてこられたのは、これを読んでくださる方々全てのお力の賜物です。

 今年は3月に大変な出来事がありました。それは今後何十年と日本の社会に大きな課題を突きつけることになるでしょう。けれど、そんなことには負 けてはいられません。なにせあーる工房は、生まれて以来平坦で楽な道などなかったのですから、そんなことには慣れっこなのです。再来年の20周年を晴れ晴 れとした思いで迎えられるよう、すべての皆さんと力をあわせていこうではありませんか。きっとパパさんもママさんも喜んでくれると思うのです。